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天龍源一郎『オカダカズチカは最後にふさわしい相手だった』

   


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天龍源一郎『オカダカズチカは最後にふさわしい相手だった』

昨夜両国国技館で自身の引退試合を終えた天龍源一郎。最後の試合相手は初対決となる現IWGPヘビー級王者のオカダカズチカだった。

この二人の対決は2年前のプロレス大賞でのオカダの『アントニオ猪木選手、ジャンボ鶴田選手、天龍源一郎選手……。ま、その3人には、ボクと同じ時代じゃなくて、よかったなと。』という発言が発端だった。

それに天龍が噛み付いて勃発した二人の因縁。その結果引退試合にも関わらずお互いが紙面上で舌戦を繰り広げ、『ボコボコにしてやる』と言い合うピリピリとした空気が漂う試合前だった。

そして遂に二人は初遭遇する。のっけからこの二人の睨み合い。これで早くも胸に熱いものが込み上げてくる。
TenryuOkada

試合が始まると、分かってはいたものの天龍のその全盛期とは程遠いコンディションに試合が成立するのも危いと思わせる状態が続いた。

しかし天龍はオカダにグーパンチ、逆水平チョップという自身の代名詞を見舞う。これらの迫力は流石で、重さと痛みが伝わってくる。そして顔面へのサッカーボールキック。1980年代に他団体にいた前田日明にも危機感を抱かせた天龍のえぐい攻めがオカダをこれでもかと痛めつける。

一方のオカダも全く引かない。引かないどころか天龍以上に非情な攻めを浴びせ掛ける。全力疾走からのスライディングキック。そしてロープの反動を利用してのドロップキック。オカダは天龍を無理やり起き上がらせて高速ドロップキック(ジョン・ウー)を連発。天龍は反対側のロープまで吹っ飛んでいった。私はここら辺りからずっと自分の頭を抱えていた。

『なんてこった・・。オカダは動けない天龍をここまでボコボコにするとは・・。』

会場の皆が65歳でボロボロになった天龍の身体を心配するも、天龍はムクっと立ち上がり重い重いグーパンチと逆水平で反撃する。

その前のシーンではオカダが天龍を寝かせ、コーナーからダイビングエルボードロップを決めた。そしてレインメーカーポーズ。

ここからオカダの必勝パターンであるレインメーカーを繰り出すためにオカダは天龍の後ろに回る。

しかしこんな大ピンチの状況にも関わらず、観衆は『天龍危ない!!天龍よけてくれ!!』といった悲鳴の声はあまり聞こえなかった。

どちらかというと『オカダ、終わらせてやってくれ。もう十分過ぎる。』と会場が思っているかのように感じた。

だが天龍はそんな観客をも裏切った。『レインメーカーなんてものを食らってなるものか』と必死に反撃。気づけば試合時間は15分も経過し大熱戦となっていた。

もう天龍はロープの力を借りないと立ち上がれない。そして最後はレインメーカーでカウント3。

天龍も天龍なら、オカダもオカダ。両者とも肝っ玉が非常にすわった素晴らしいレスラーだと再認識させてくれた。

試合後オカダは天龍に深々と礼。

そんな激闘の後の天龍のコメント。

バトルニュースより

――プロレス人生最後の試合が終わりました。今の素直な気持ちを教えて下さい。
「悔しいです。でも、この体の痛さが全てを物語っているようで心地いいですね」

――オカダ選手は非情なまでに攻め込んできましたけど。
「いや、プロレスはね、彼と闘って、進化していると思ってますよ。俺のプロレスは、ほんとに、掘り下げるプロレスだったけど彼はほんとに、一歩一歩新しいプロレスを今日は俺に、体験させてくれましたよ。いい飛び蹴りあり、なんかあの、ラリアットもシャープで、いいのが入りましたよ。まあ、こんな事言うのも癪だけど、最後にふさわしい相手だったと思います」

――そういう意味では平成のプロレスを堪能できましたか?
「いや、もう十分見せつけられましたよ」

――最初に悔しいという言葉がありましたが、そういう意味では悔しさは残る?
「そりゃ〜ね、まあ、まあそういう事にしておきましょう(苦笑)」

――ご自身のプロレスを最後まで出し尽くせたという気持ちはありますか?
「いや、出せたと思っていますよ。まあ、ちょっと甘かったかな。逆に鋭角的なパワーボムもやれましたし僕も。そこを起きてきたわけだからね。そんなあの、やっぱり彼も技術というものを持っていると思いますよ。受けの技術をね」

――最後の3カウントを聞いてどんなお気持ちだったんでしょう?
「いや、なんかね、わかんなかったですね。なんかいいのがバチャーンと喉元に来たなというのはわかったんですけどね、3が入ったとは、ほんとに思ってなかったですね」

――気がついたら試合が終わっていたという感じですか?
「そんな感じですね。飛び蹴りがいいのが何発か入りましたからね。それもあるのかなと思いましたね。結構まあ、えぐいのが何発かアゴに入ってましたからね」

――客席から天龍さんへの歓声が飛んでましたけどもそういうファンの声は
「今日はね、必死でしたよ(苦笑)。なんかね、あいつもあの、飛び蹴りがいい所に入ったとかいうのもあるけど、まあ俺自身も今日は必死でしたよ」

――国技館の天井を見た景色はいかがでした?
「いやなんかね、一番最初にね、相撲をとった時に土俵下にひっくり返され事、なんかよく似てますよ(苦笑)」

――久しぶりに黒のショートタイツだったんですけども、オカダ選手からもショートタイツでという言葉がありましたが。
「別にあの、オカダが言ったからどうのこうのじゃなくて、やっぱり最後ぐらいは潔くという。オカダの向こうのファンの人達に見たまま感じてもらえればいいなという俺の気持ちです。だから、今日の試合を見てその通り語ってくれればいいし、思った通りの今の天龍源一郎です」

――ファンの人達は最後に見た姿が黒のショートタイツというのは素晴らしいプレゼントだったと思います
「そうっすか(笑)。いやあの、ロングガウンも初めて着たロングガウンだったし、そういう意味では先祖返りって言うんですか?昔の天龍源一郎に戻ってやりたいと思ったけど、いかんせんIWGPチャンプも結構なもんですよ。なかなかなもんでしたよ」

――今日着てたガウンはデビュー戦のものですか?
「そうですね」

――天龍さんを介錯したオカダ選手へのメッセージはありますか?
「いや何もないですよ。あの、このまま伸びていってプロレス界を引っ張っていってほしいというのが、俺の希望ですよね」

――10カウントを聞いてる瞬間というのはどんなお気持ちでした?
「意外と無(む)でしたね。何も感じなくって、なんか、この場は二度とないんだなというそんな感じですね。まあこれから、おいおい、いろんな時間ができてくると考えることもまああると思いますけど、今は本当に、オカダ・カズチカと闘い終えたというだけです」

――引退試合を終えたばかりではあるんですけど、これからに関しては何か考えてらっしゃることは
「いや何も考えてないですよ。本当に。答えがあるとしたら(ビールを手に取り)ビールでも飲みますか?(笑)これ(=アサヒスーパードライ)はね、俺が(阿修羅)原と二人で(天龍革命を)やりはじめた時に、一番最初に世の中に出たビールだったんですよね。美味しかったですね。ちょっと、あの頃と同じテイストがするか。ちょっと、失礼して……(※缶ビールを開けて飲み始める)うん、シャープですね(笑)」

――スタン・ハンセンとテリー・ファンクとは何かリング上で話ました?
「ただご苦労さんというだけですね。まあ彼達も先に同じ経験をしていますから」

――紋奈代表とは最後どんな親子の会話があったんですか?
「いやもう彼女にはね、ほんとにあの、両国をとってくれたりとか、(スタッフが)5〜6人でこんだけの大観衆を集めてくれて、我が娘ながら…男前です」

――天龍さんで引退というと、阿修羅・原選手が引退した時に『家族の方に阿修羅をお返しします』とおっしゃっていたのを思い出すんですが
「言いましたねあの時、はい」

――天龍さんは家族に戻るのでしょうか?
「いや、ちょっと、こちらから一方的に言うわけにはいかないから、後で相談します(笑)」

――目を閉じると、どんなレスラーが頭に浮かびますかね?
「そうですね〜。やっぱり、今日来てくれたファンクスもそうですけど、やっぱりあの、馬場さんもそうですし、鶴田選手もそうですし、志半ばでね、僕のようにあの最後までできなかった方達のことはやっぱり思い出しますね。俺は、まがりなりにも自分の足で立って、皆から拍手をもらって降りられただけでも幸せだと思ってます」

――ものすごい観衆でしたね。
「本当にありがたいことです」

――この大観衆を見た時どんな気持ちになりました?
「ただひと言ありがたいと思うだけですね。なんにも、ほんとに、ありがとうございますっていう、簡単な言葉ですけどね、そこに尽きますね」

――今日来た人たちは皆天龍さんにありがとうございますって言って帰ると思います。
「僕のほうがもうまだ熨斗付けても足りないぐらいだと思います」

――いちばん印象に残ってる試合は?
「今となっては全てが思い出です」

――故郷の福井に何かひと言ありますか?
「福井からも皆さん会いに来てくれてますし、まあ生まれ故郷ですからね、忘れる事はないと思います。この土着性を産んでくれたのがやっぱり福井ですからね」

――奥様へは何かひと言……
「いやーもう今日はね…リングに上がる前に、間違っても私を呼び込まないでよと釘を差されましたので(苦笑)まあ紋奈代表になったんですけど、まあ、言えるとしたら、こんな天龍源一郎を支えてくれて、ここまで押し上げてくれたという感謝の気持ちですね、はい。その節はしっかりしていただいてありがとうございました」

メインを裁いたレッドシューズ海野レフェリーは天龍の3カウントを叩いた後、ずっと天を見上げていた。今や新日本プロレスの審判部長の海野レフェリーも天龍を慕って全日本プロレス、SWS、そしてWARとともに歩いてきた。

ファンの立場から言えば天龍には感謝の言葉しかないし、本当にお疲れ様と言いたい。

個人的には今年の1.4東京ドームの棚橋弘至vsオカダカズチカ、中邑真輔vs飯伏幸太を抑えての今年のベストバウト候補と思う。

それ程試合単体の技術論やクオリティー以上に、天龍の深い深いプロレス哲学が存分に発揮された試合だった。プロレス大賞から始まった二人の戦いは、プロレス大賞で終わるかもしれない。

天龍さん、本当にお疲れ様でした。そして本当にありがとうございました。

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